手紙と言葉のある暮らし

〜風のように気まぐれに、かたつむりのようにゆっくりと〜


海外文通のきっかけ:英語の夢から始まった冒険

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中学生の時、私は海外文通の世界に足を踏み入れました。

「英語をスラスラ書ける人、何不自由なくしゃべれる人ってかっこいいなぁ」と、当時小学生の私はテレビの英語番組を見ては口にしていました。

その時の夢は、英語のネイティブスピーカーになること。
英語をペラペラ話す自分を思い描きながら、そんなことを考えていました。
しかし、実際には、私の周りには英語でコミュニケーションができる場所もなく、そのような人もいませんでした。

そんな生活が続きましたが、中学に進学すると状況が少しずつ変わりました。
学校で「英語」の授業が始まり、イギリスからALT(外国語指導助手)の先生がやってきました。
就任期間は半年と短かったものの、彼女は私たちに「ぜひイギリスに手紙を送って欲しい」と話してくれました。

それから数週間後、私は初めて海外に手紙を送りました。

この経験から、なんとなく「英語で手紙を書いている自分、かっこいい!」という自負と自信が芽生えたのです。
子供ながら、自分の英語のスキルを試す新たな冒険への一歩を踏み出した瞬間でした。

もっと多くの人に手紙を書きたいと思った私は、月刊漫画誌に掲載されていた海外文通団体の広告を見つけました。
「これ、やってみたい!」と思った瞬間でした。

それから少し時間がかかりましたが、その団体に入会し、ペンパルの紹介と海外のペンパルリストへの掲載をお願いしました。

はじめて紹介されたペンパルは、アメリカの同い年の女の子でした。
当時の私は、ペンパルといえばアメリカやイギリスの英語圏の国々の女の子をイメージしていました。
そのため、彼女へ手紙を書くことにワクワクし、例文帳片手に手紙を書き送りました。

毎日ポストをチェックして、楽しみに待っていました。
ところが、1ヶ月が経ち、2ヶ月が経っても手紙が届かないのです。

「もしかしたら、私の英語が通じていないのかなぁ…」と、自分の英語力にすっかり落ち込んでしまいました。

しかし、ある日、ポストに「KOREA」と書かれた手紙が届きました。
私は「KOREAって、どこ?」と思いましたが、調べてみるとそれはお隣の国、韓国だと分かりました。
私は「ペンパル=アメリカやイギリスの英語圏」と思っていたため、USA、ENGLAND、AUSTRALIAぐらいしか国名を分かっていなかったのです。
辞書で比べて「韓国」と分かり、とても驚きました。
そして、韓国のペンパルとの手紙のやり取りが始まりました。

このように振り返ると、インターネットのない時代に海外の方と文通をしていたのはとても貴重な体験だったなと思います。
英語の手紙を書くのは大変で、辞書を引きながら何度も調べていましたが、それを通じて楽しさや成長を感じました。
さらに、英語圏以外の国々との交流を通じて、世界が広がったような気持ちになりました。

今はその海外文通団体はなくなってしまいましたが、別の方法でペンパルを探し、手紙を交換しています。
手紙を書く楽しみや、手紙が届くワクワク感は、子供の頃から変わりません。

今後もいろんな国の方と文通していければいいな、そして今文通している方と末永く文通したいなと思っています。

写真提供元
Pixabay / Canva

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